出店の用心棒 ≪用心棒の所以≫

さて、そんなお客様に育てられて創業10年も超えると、従業員がどんどん育つ。

最初はオレの持ってきた案件しかできなかったのに、今では一人前に別の多店舗展開のお客様からしっかり案件を頂いてくるようになった。

工事の手配も営業もどちらも一人でこなして、いくつもの案件を並行して工事したりする。

なんかどういうわけか優秀。コロナ禍の中でも、しっかりお客様のニーズをとらえて上手く進化して幅広い仕事が芽生えたりする。断ってるのに無理やり受注させたがるお客さんとかもいて、あいつらも大したもんだと思う今日この頃だ。

社員が頑張ってくれているのに任せて、俺は異業種交流会で建築関連企業のリーダーとかもさせてもらっている。毎日いろいろな専門企業の方と商談させて頂いている。共同購買で建材を安く仕入れる。競合していた施工店と協業する活動をやっている。職人上がりで現場たたき上げで社長になった俺にとって、最高の機会だと思って学ばせてもらっている。今までの事業スタイルだけでいることは、経営にとってリスクだ。だからこういうのはめちゃくちゃ有難い話なんだ。

それなのに最前線で戦う充実感というのを50歳そこらでは忘れることができない…。これってあんまり賢いとは言えないんだろうけれど、それでもこれが俺なんだなっていうのに気が付いてしまった。

 

そうしているところに、偶然にも個人のお客様とのご縁が生まれて、飲食店のリアルな歴史を知る私の目線から、出店をお手伝いさせて頂いて「あっ、これだ」って思ってしまった。

そしてそのお客様から言われた。「用心棒みたいだね!!」
業者のエゴをぶった斬る!(決して無茶を押し付けるやり方ではない)

そして採算の合う資金バランスの提案を金額だけではなく、立地や建物という実物を伴ったうえでお客様と一緒に模索する。
それが用心棒としての俺のやり方だ。